★さすがです。サガンさま

『優しい関係』フランソワーズ・サガン/新潮社(1969)

フランソワーズ・サガンの本を読み返したくなって
まだ読んでいなかった『優しい関係』を図書館に予約。
届いた本は、まさかの初版本でびっくり。
紙の匂いが、時代の空気ごと立ち上ってくる。

なんていい気分にさせてくれるストーリーなんだろう。
日本の小説では味わえない
どこか気だるくて、それでいて香り高い文体。
一人の女性と、二人の男性。
不透明なその関係から生まれる、曖昧な空気。
なぜだろう、それが妙に心地よい。

ただ、ひとつだけ気づいてしまった。
私はもう、主人公の45歳の女性の年齢を通り過ぎていた。
……もう少しはやく読みたかった。