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『白い犬とワルツを』テリー・ケイ
新潮社(1998)
本書は、長年連れ添った妻を亡くした主人公サムが、突如現れた「白い犬」との絆を通じて人生の終焉に向き合う物語。
最愛の妻を失ったサムは喪失感と老い、そして病の苦しみを抱えながら子どもたちの世話になりつつも、一人で余生を生き抜こうとする。そんな彼にだけ見える白い犬の存在。サムの子どもたちは、その犬を「父の妄想」と捉え、親が老いていく現実を受け入れられずに戸惑う。
フィクションとは言え、老いていく親の心情を深く感じ取ることができるため、「親の介護に必要なこと」といった実用書を手にする前におすすめしたい一冊。