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『人生を変えた本と本屋さん』ジェーン・マウント
本を読み進めていくうちに、残りのページが少なくなると「もうすぐ読み終わる」と、どこか安堵する本がある一方で、「永遠に読み続けていたい」と哀願するような本もある。本書は、私にとって後者である。
著者のジェーン・マウントは、ハワイ・マウイ島在住の、本を題材にしたイラストレーター兼デザイナー。訳者の清水玲奈は、ロンドン在住の本屋巡りをライフワークとする、著述家であり翻訳家である。内容は、書名の通り、多くの「本」と「本屋」が紹介されているのは言うまでもないが、そのほかに、図書館や本の表紙デザイン、作家の書斎、本にまつわる歌、果てには、作家の愛したペットや本屋の看板猫まで、本と本屋に関わる様々なものが美しく瀟洒なイラストと共に取り上げられている。
コロンビア・ボゴタのサン・リブラリオ「人気の本屋さん」では、こう紹介されている。 「小さな本屋さんで、店のオーナー、アルバロ・カスティージョが厳選した本を1冊ずつ置いています。数人お客さんが入ればひじがぶつかりあうほど狭い店ですが、他では手に入らないような珍しい翻訳書や、貴重な初版本が見つかります」――著者が「本を描く」という仕事を通して出会った世界の読書家に加え、作家、書店員、編集者、バイヤー、図書館司書など、本を扱うプロへの取材を重ねた内容を凝縮。本のための本。本が好きなひとのための本。普段本を手にする機会がすくない人にも「本」の世界へ誘ってくれる本である。