『少年が来る』ハン・ガン

CUON(2016)

ハン・ガンさんの作品はこれで四冊目になりますが、
『少年が来る』は、
私にとって最も重い一冊でした。

あまりにも当事者のような訴えと、
容赦のない描写に胸が締めつけられてしまったほど。

とくに「七つのビンタ」。
まるで自分もその場にいるかのような錯覚に襲われ、
身体の感覚が先に反応してしまった。

この作品で著者は、
常に冷静に怒りを語っているように思う。
声を荒げることなく、
しかし決して鎮められない怒りを……

エピローグには、
この光州事件の調査と現場取材に
精魂を傾けたことが記されている。

遺族や生存者に
直接話を聞くことはせず、
ただ、膨大な資料を読み続けたと。

そのひたむきな思いと祈りに応えるように、
この本は時間をかけて
私の手にたどりついた。