『イワンの馬鹿 』レフ・トルストイ

アノニマ・スタジオ (2020)

「遠くに住む友人から届いた手紙のように、何度も手にとって読みかえしたくなる本」を次々に世に送り出しているアノニマ・スタジオから届いた本書は、140年以上前に誕生した誰もが知る古典。けれども読んだ人は意外に少ないのではないだろうか……。強欲な兄たちや悪魔の誘惑に負けず、自らの体と手を使って飄々と生活するイワン。“賢い大人は、結局、何事をも成し得ることができず、愚直に信じるところを貫いて働く者だけが世界を変える”――本書のテーマをトルストイ翻訳家・北御門二郎の孫である小宮由氏の新訳で現代に蘇らせた。パウル・クレーに師事した絵本作家ハンス・フィッシャーの装丁が美しい。