『暮らしを旅する』中村好文

ベストセラーズ(2013)

愛媛県の「伊丹十三記念館」を訪れた際、すごくいい空間だなぁと思ったのがきっかけで、本書の著者でもあり建築家の中村好文さんのエッセイを手にしてみました。

著者が暮らしのなかで大切にしている物や設計の依頼主とのやりとり、旅先の出来事など、読むだけで中村さんの魅力が伝わってきます。

また、本書に紹介されていた「雪を作る話」を書いた中谷宇吉郎さんのこと(私も偶然手にした『雪は天からの手紙: 中谷宇吉郎エッセイ集 』が大好きだった)、『火山のふもとで』で知ったアルヴァ・アアルトの別荘「夏の家」のこと、20代の頃に滞在したバリ島のウブドにある「アマンダリ」のことなど、自身の記憶を辿るような気持ちで読み進めてました。

また彼がいいと思うところは自分も好きだろうなと思いを巡らせながら、彼が辿った旅先や物についてネット検索してしまったくらい……。

大切にしたい一冊です。